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協働のための資料集

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■NPOと行政のパートナーシップのあり方

第2章 協働の事例分析<5>

D 協働についての問題点と課題

 これまで協働についての事例や意向についてみてきたが、協働する上で最も重要なのは、(1)協働することによって住民のエンパワーメントを通じて地域が活性化したか、(2)行政・NPO双方の役割分担が明確になり、お互いの自己改革が進み相乗効果が出たかの大きく2点である。そのためのプロセスとして協働が必要であるとわれわれは考えている。

 従来、協働の方法として、委託・補助・人の派遣・場の提供等が協働の代名詞の様に言われてきたが、最も重要なのは協働のためのプロセス管理である。つまり、第1章で述べたような協働のための条件を満たしているかということ。再掲すると、

  1. 事前の仕組みづくりができているか
  2. 情報公開とビジョンの共有が図られているか
  3. 役割と責任分担が明確であるか
  4. 説明責任が果たせているか
  5. 協働の評価が確立され実施されているか

である。これらが曖昧な形で行われていれば、協働したとしても、多くの課題を残し、結果として協働したとはいえないのである。

 そういう視点に立つとき、これまでみてきた協働事例には次のような問題点がみられる。

1.協働の問題点と評価

(1)協働ができているといえるところはまだ少ない。

 協働チェックポイントにあてはめると、事前の仕組みづくりから評価に至るまで、全てを満たしているといえる協働事例は少ない。協働について全体的には試行錯誤の段階といえる。

(2)主体者の問題 ―行政側―

 多様な領域で大小とりまぜたNPOがあることは重要な地域資源である。行政の側に「新しい行政のあり方」を模索しようとする姿勢が弱い。

 協働が「流行」のスローガンとなっていないか。協働があたり前になる社会はどういう社会で、それは望ましい社会なのかという問いを発しつつ、行政として協働をめざす積極的、未来的意義を示す必要がある。

 協働することで、行政の自己改革を図り、21世紀の豊かな地域社会を市民と協働することによって、共に創っていくという気概が求められている。

(3)主体者の問題 ―NPO側―

 協働が協働として成り立っていないことを、厳しく認識しなければならない。

 NPOの長所が生かされる例もあるが、その実態は結局、

  1. 委託などが行政の下請け仕事であったり
  2. 行政の裁量的な政策領域について誘導された活動であったりする場合がある。

 NPO側が乗り越えるべきところも大きく、

  1. 行政との協働を組み立てる意識も行動もないままにあって
  2. なお、自己の存在を相対化できず
  3. 活動の目的や社会的意義をあいまいにし

 たまま、協働に組み込まれる例もある。NPOが自立し、責任を持って活動すること等、変化が期待されている。

2.滋賀県内事例から見た協働の問題点

(1)協働を進める上での行政のスタンスが明確でない

 全国にも共通することではあるが、滋賀県内では協働のスタンスが明確になっているところはない。そのため、情報公開の姿勢がみられないまま、現場の状況を把握せずに、机上のプランを進めようとしていないか、国からの仕事を降ろすという姿勢になっていないか等チェックが必要で、行政のスタンスを協働の方向に変えていく必要がある。

(2)市民団体・NPO側にも、行政ルールを知らないことによる誤解もある。

 活動の中には趣味の活動や思い込みのボランティア精神の発揮と見えるところもある。

 自律した市民像を描かなければ、次のステップには進めない。独りよがりの活動になっていないか。協働を通じて自ら変わっていくというスタンスが求められる。

(3)いずれも協働としての条件に欠ける部分がある。

 プロセス重視の観点からみると結局、

  1. 協働活動に対する客観的な評価が成り立っていないこと
  2. 客観視しようとする姿勢が見えないこと、

に尽きるのかもしれない。

 滋賀での協働活動も、これからスタート地点に着こうとしている段階であるといえよう。

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