A 協働についての定義
現在、協働という言葉は頻繁に使われるようになってきたが、その定義は必ずしも明確になっていないのが現状である。ここでは協働についての再定義を試みることとする。
1.これまでいわれている定義
荒木昭次郎によれば、協働とは「地域住民と自治体職員とが、心を合わせ、力を合わせ、助け合って、地域住民の福祉の向上に有用であると自治体政府が住民の意志に基づいて判断した公共的性質をもつ財やサービスを生産し、供給していく活動の体系である」としている。(『参加と協働 新しい市民=行政関係の創造』ぎょうせい、1990年)
○総務省(前自治省)においては、
「相互の特性の認識・尊重」を基礎として、相互に「対等関係」のもとで、「協調・協働」していくこと。つまり両者が互いに対等の当事者であることを認め合うこと
(自治省「地域づくりのための民間非営利活動に対する地方公共団体のかかわりの在り方に関する研究報告」1997年3月)
と定義されている。
○東京都においては、
行政とボランティア・NPOとが相互の存在意識を認識し尊重し合い、相互にもてる資源を出し合い、対等の立場で、共通する社会的目的の実現に向け、社会サービスの供給等の活動をすること(東京都「東京都ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会報告」・2000年10月)と定義されている。
○滋賀県においても、
共通の目的の実現のために、それぞれが自らの役割を自覚し、ともに考え、ともに汗を流して取り組んでいくこと(滋賀県「県民の社会貢献活動促進のための基本的な考え方」1999年7月)と定義されている。
全国的にみても、協働の定義が統一されているものではなく、様々に議論され、定義されているのが現状である。
2.協働のあり方は変化していく、また方法は地域によって異なる
市民活動と行政の協働領域は、自治体としては横浜市が最初に分類を行ったが、広い意味での社会活動について領域を区分するような協働の定義には無理がある。というのも、協働はあらゆる領域で可能であって、地域の特性や住民と行政のあり方によって個別の顔を持つことができるからである。
一般的な協働の再定義を試みるも、これにはいろいろな議論があり、一つに集約されるものでもないし、集約すべきものでもない。地域で話し合い、協働の領域や方法を決めていくしかない。むしろ、住民参加のプロセスとして協働が重要であり、そのことを滋賀県では特に強調する必要がある。地域の現場に即した、地域住民の主体的な参加による課題の解決を可能にすることが協働の意味である。そして地域住民としての力を発揮することやその力を引き出すことが、NPOには期待されている。
この報告書でわれわれが考える協働とは、公共活動の共通目標を達成するために、行政とNPOとのお互いの立場を尊重した対等の関係で共同事業を行い、活動の成果を相乗効果的に創出させる戦略的な政策であるとともに、協働を通じてお互いの組織や活動内容の刷新・向上をはかるための改革を前提とした行動原理でもあるといえる。
協働ができる分野は、たとえばもっぱら行政の領域とされているものでも、純粋にその内部的な意思決定に属する場面をのぞけば、あらゆるところで、協働が可能である。行政の聖域も、また市民の聖域もない。
■横浜市の協働の基本方針(横浜コード)にみる協働領域
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